LOST CORNER 予想 〜失われた角を求めて〜

米津玄師の最新アルバム収録曲について、タイトルだけでどんな曲なのか予想します。

トラックリスト

01. RED OUT
02. KICK BACK  / TVアニメ「チェンソーマン」オープニング
03. マルゲリータ + アイナ・ジ・エンド
04. POP SONG / PlayStation® CMソング
05. 死神
06. 毎日  / 日本コカ・コーラ「ジョージア」CMソング
07. LADY  / 日本コカ・コーラ「ジョージア」CMソング
08. ゆめうつつ  / 日本テレビ系「news zero」テーマ曲
09. さよーならまたいつか! / NHK「虎に翼」主題歌
10. とまれみよ
11. LENS FLARE
12. 月を見ていた / 「FINAL FANTASY XVI」テーマソング
13. M八七  / 映画「シン・ウルトラマン」主題歌
14. Pale Blue  / TBS系金曜ドラマ「リコカツ」主題歌
15. がらくた / 映画「ラストマイル」主題歌
16. YELLOW GHOST
17. POST HUMAN
18. 地球儀  / 映画「君たちはどう生きるか」主題歌
19. LOST CORNER
20. おはよう

REISSUE RECORDS公式Xより

※ 既にRED OUTが公開されましたが、聴いていない時点での推測です。

「LOST CORNER」の意味

今回の曲数は20曲、既存の11曲の総時間がざっくり43分、仮に1時間15分のアルバムとすると残り9曲は1曲あたり3分半。インタールード的な曲を2.3曲挟みつつ、スタンダードな長さの曲が6.7曲追加されるといったところか。
そもそもLOST CORNERの意味は?と調べたところ、
・忘れられた土地
・遺失物置き場
https://kimamani-trend.com/lost-corner-mean/

という意味や、専門用語として「失われた角」という意味もあることがわかった。
「失われた角」とは、測量のために立てたランドマークが時間の経過で失われ、目印がなくなってしまった状態を表す言葉。ジャケットにも錆びた矢印の標識が描かれているので、この意味が近い気がする。
https://www.jluggage.com/blog/j-meaning/lost-corner/
どちらにしても「失われたもの」という意味があり、孤独や寄る辺なさ、寂しさが表現された作品になりそう。今回は特に映画やCMのタイアップ曲が多く、「忘れられる」という状況とは程遠い地位を確立しながらもこのようなタイトルをつけるあたり、俺たちの米津玄師というかんじですよね(?)

予想

RED OUT(1曲目)

これはKICK BACKに繋ぐためのKICK BACKのバイブスを宿した激しめのプロローグだと思う。長さは1分未満とみた。
根拠は以下の2点。
・KICK BACKと対になる語感
・"RED"は血の色、"OUT"はアウトサイダーのアウトなので(断定)
血湧き肉躍る強めのオープニングに期待。

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⇨KICK BACK(2曲目)⇨

マルゲリータ(3曲目)

タイトルに明るい雰囲気があるが、前作の4曲目「PLACEBO」のような爽やかな曲ではないと踏んだ。アイナジエンドも歌うということはボーカルにそれなりの重点が置かれていて、こってりした厚いサウンドになっていると思われる。
しかしKICK BACKとPOP SONGに挟まれているので、それほど羽目は外せないはず。1曲目からKICK BACKへと続く怒涛の流れ(断定)を経て3曲目を挟み、4曲目には癖の強いPOP SONG、さらに5曲目には死神が控えており、序盤から疲れすぎてしまう。息抜きになりつつ明るくて重めの曲が来ると思うが、抜け感の方向性はまだわからない。

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⇨POP SONG(4曲目)⇨

⇨死神(5曲目)⇨

⇨毎日(6曲目)⇨

⇨LADY(7曲目)⇨

⇨ゆめうつつ(8曲目)⇨

⇨さよーならまたいつか!(9曲目)⇨

とまれみよ(10曲目)

インタールードが入るなら10曲目か11曲目と踏んだ。
11曲目のLENS FLAREはタイトルからして意味深なので、歌アリの可能性が高いと思う。折坂悠太とかなら意味深なタイトルの歌なしインストを放って平気な顔しそうだが、こんなに有名になった米津玄師がそれをやったらそれはそれで更に好きになってしまう(?)のでぜひそうしてほしい。
「止まれ見よ」ではなくひらがなで「とまれみよ」なので、表記から柔らかい印象を受ける。アコースティック寄りの音で、アルバムを聴いている途中に文字通りとまって周りをみわたす時間を与えるような、1分未満のインタールードではないかと踏んだ。

LENS FLARE(11曲目)

レンズフレアというのは「強い光源にカメラを向けたときの、暗部への光の漏れ」らしい。言葉を俯瞰的に捉えるなら「光に包まれた思い出の写真」ということになり、"光"にこだわるなら「光源の強さ/一瞬の鮮烈さ・儚さ」の表現になると思う。個人的には後者であってほしい。
アルバム全体を見たときに、推し曲が1〜4曲目あたりに、後半の締め色のような曲は真ん中を少しすぎたあたりに配置されることが多いが、このアルバムのそういったピークはどこになるのかを考える。曲数が多いので予想しづらいが、12〜15曲目のタイアップ祭りのエリアが後半の盛り上げどころなのかもしれない。
その場合、11曲目はあまり目立たない休憩曲である可能性が高い。しかも「月を見ていた」がカロリー高めなので、軽いタッチでいかないと本当に胸焼けする。
以上を考慮すると、「光の一瞬の儚さ」を表現した曲なのではないかと思う。前作「STRAY SHEEP」における「優しい人」「まちがいさがし」のような優しい聴き心地の、震える一瞬を切り取るような繊細な曲であれ。

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⇨月を見ていた(12曲目)⇨

⇨M八七(13曲目)⇨

⇨Pale Blue(14曲目)⇨

がらくた(15曲目)

映画「ラストマイル」は事前の触れ込みによると"ノンストップサスペンス"とのこと。
その作品の主題歌なので、クールでアップテンポな正統派ロックであることが予想される。登場人物の心の機微や、犯人の懊悩などが描かれる場合はロックではなくおしゃれなエレクトロポップやヒップホップ路線も考えられるが、荷物に爆弾を仕掛けてそこここで爆発させるパワー系犯罪者にそういった繊細さは無さそうだし、ガシガシ事件が起きてガシガシ謎を解きガシガシ逮捕する話のような気がするので、多分ロックだと思う。
ここに関しては期待値が高い。絶対かっこいいよ。ダウナーなロックチューンだといいな。

YELLOW GHOST(16曲目)

話は逸れるが、タイトルが並んでいるのを見て大文字の英語タイトルの多さに気づく。アルバムの曲数が多いこともあるが、タイトルでこれほど大文字が使われたことは今までなかったと思う。今回の英語タイトルはPale Blueを除いて全部が大文字。
全部大文字にすることで、広告のコピーのような平明性を表現し、大量消費される大衆文化を象徴しているのでは、と感じる。
タイアップ曲が増え、曲が作品の正面に据えられて様々な形で商業的に消費されることが多くなったのではないかと思う。そんな中でタイトルを大文字にして、作品を名実共に広告塔にふさわしい形にしたことは皮肉を通り越して自虐的ですらある(穿ちすぎかもしれない)。
YELLOW GHOSTというタイトルには黄色い色の明るさと幽霊の不気味さが併存し、明るいのに暗い日食のような不穏な印象を受ける。dioramaの「caribou」「Black Sheep」「首なし閑古鳥」のような曲になりそう。大文字の匿名性が不気味さに変わるような曲であってほしい。

POST HUMAN(17曲目)

M八七がウルトラマンの主題歌であることに引きずられているが、近未来っぽい無機質な雰囲気で来る気がする。ウルトラマンがそうであるかは別として、タイトルが「新人類」なので。
細長い体躯に人智を超えた能力を秘め、長い背骨を丸めて静かに佇んでいる、これが米津玄師のポスト・ヒューマン像なのだけどどうだろう。前作の「迷える羊」のような、瞑想的で不安な雰囲気の曲になりそう。

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⇨地球儀(18曲目)⇨

LOST CORNER(19曲目)

表題曲ということでアルバムジャケットを思い浮かべると、擦り切れてやけっぱちな雰囲気があるので、ギャンギャンのロックかもしれない。
STRAY SHEEPでいう「ひまわり」みたいな曲ではないかと思う。15曲目もロックではないかと考えているが、映画主題歌のがらくたよりも攻めたアレンジの可能性がある。がらくたが洗練されたきれいめロックで、これが野生味のあるうるさめのロックになりそう。
ただ、最後から2曲目はアルバムの終わりに向けてクールダウンする曲になることが多い。米津玄師のこれまでの「最後から2曲目」を見てみると、YANKEEでは「KARMA CITY」、BOOTLEGは「打上花火」、STRAY SHEEPでは「海の幽霊」というようにチルな曲が目立つ。地球儀の次の曲ということもあるので、テンポを落として、「失われたもの」にふさわしいダウナーで寂しい味をプラスしてくるかもしれない。KICK BACKのEPに入っている「恥ずかしくってしょうがねえ」みたいなイメージ。
いずれにしても、喪失感をテーマに暗い雰囲気の曲になる気がする。

おはよう(20曲目)

プロローグとインタールードが入るなら、最後にエピローグがあるかもしれない。「抄本」みたいな曲なら嬉しいけど、ドラマや映画の主題歌で名を馳せ公人になった今、大勢に向けてああいった特異な世界観を表現しようとは思わなそう。
それに米津玄師でボーカルなしの曲は聞いたことがないので、エピローグとして短いインストが入る可能性は低いと思われる。
ボーカルありの普通の長さの曲だとすると、このタイトルは危険。明るい希望の香りがする。
すでに発表されている曲の大半が希望に満ちているので、最後も希望でまとめてくるかもしれない。
dioramaの「」など、朝焼けを一人で眺めるような静かな希望の曲であればいいが、団体で富士山に登ったあと初日の出を見ているみたいな曲だったらショックで寝込む。みんなの希望ではなくわたしだけの希望でいてほしい(強欲)。
最後の曲は1曲目と同じくらいアルバムの顔なので、ここがしっくりこないと、途中でどんなに好きな曲があってもアルバムを聞かなくなってしまう。
期待半分不安半分でリリースを待つ。